ギヴンのメンバー同士の信頼関係が揺らいでいる。
大型フェスのアマチュア枠の出場権を得るための大事な曲作り集中が出来ない。
このバンドは一体どうなってしまうのか?
微妙な人間関係も気になるところです。
『ギヴン』4巻 あらすじ
高校生の上ノ山立夏、佐藤真冬、大学院生の中山春樹、大学生の梶秋彦は四人で「ギヴン」というバンドを組んでいる。
四人は現在、プロの登竜門にもなる、大型フェスのアマチュア枠の出場権を獲得するため、新曲作りに取り組んでいる。
新曲について見てもらうために真冬はある日、秋彦の家にアポなし訪問すると、秋彦の同居人である村田雨月が出迎えてくれた。
雨月は海外でも活躍するほどの若い天才バイオリン奏者だ。
秋彦と雨月は付き合っているわけではないが、二人の間には、お互いがお互いから離れられずにいるという不思議な関係が高校生で雨月が秋彦の高校に編入してきて、出会った時から現在までずっと続いている。
そんな雨月にいきなりやって来た真冬のことを任せて、秋彦はさっさと春樹の元へ向かった。
秋彦はそのことを春樹に話した。
秋彦に同居人がいることを今まで知らなかったために、春樹は驚いた。
実は春樹は、密かに秋彦に恋愛感情を持っている。
そのために、秋彦の同居人のことが気になってしまう。
さらに、秋彦が女性とも関係を持っていることが、わかってしまった。
さらに、真冬と上ノ山も険悪な雰囲気に。
そんな中、春樹に別のバンドで助っ人に入らないかという誘いがきた。
春樹はこの誘いをどうするのか。
『ギヴン』4巻 感想
『ギヴン』4巻春樹のピュアさに心惹かれる
この巻は今までメインが高校生組の上ノ山と真冬だったからなのか、以前の巻までとは雰囲気が少し変わった感じがしました。
年齢が上がった分落ち着いているけれど、激しい恋愛ものだと思いました。
秋彦の今まで隠してきた裏のことが沢山出てくるので、この先どんな展開を迎えるのかどきどきしてしまう場面が多かったです。
今までの巻ではあまり取り上げられていないような感じだった春樹は、この巻で一気に目立つようになります。
今まで春樹はみんなのまとめ役という印象だけだったのですが、ここに来て本当に一途でピュアな印象を受けました。
バンドメンバーの中では一番年上で、それだけでも大変そうなところがあるのですが、そこに恋愛も絡んできてさらに春樹はより大変になります。
秋彦によって色々と感情を振り回される様子は、ピュアな分かわいと思えるところがあったり、逆にそれが可哀想だと思えるところもありました。
春樹は、この作品で一番誰もが共感できるキャラクターではないかなと私は思います。
真冬のように彼氏が亡くなってしまったりするのは、滅多にないことだと思いますし、秋彦の方の経験も中々ないことですし。
そのせいなのか、春樹の苦しい場面や辛い場面では、同じような気持ちになりました。春樹は注目していきたいキャラクターです。
ギヴン』4巻秋彦の裏の顔が見え隠れ
春樹が好きに思っている秋彦は、前述したようにこの巻では裏の姿が出てきます。
今までの巻でもその姿は少し垣間見える場所もありましたが、この巻ではしっかり出てきました。
秋彦は今までの巻では、バンドメンバーに気遣いのできる格好良い大人の男という印象だったのですが、ここにきてガラリと印象が、春樹よりもかなり変わったように感じました。
雨月との関係で荒んでしまったり、そうかと思えば急に素直になったりと、春樹と同様に読者側も秋彦の態度に一喜一憂させられてしまいます。
秋彦のなりたい方は裏の顔なのか、いつもバンドメンバーに見せている顔の方なのか、気になりながら読みました。
この巻では秋彦には振り回されてしまうので、別の巻と同じで読んでいて飽きが来ないです。
また、おまけページについている4コマ漫画の方には、秋彦がなぜ雨月と同居することになったのかがちらっと描かれています。
理由を読んで笑ってしまったので、最後まで注目して読んでみてほしいと思いました。
一方、同居人の雨月はミステリアスな存在で、よく掴めないキャラクターでした。
なので、この先の展開でどのような存在になるのか期待が高いです。
秋彦と春樹、そして雨月の内容は、真冬のような悲壮感のようなものはほとんどないのですが、恋愛の苦しさとドキドキの両方が描かれているので、振り回されながら読んでいるのがとても楽しかったです!
*本文中の画像は「ギヴン」とは無関係です。
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