ギヴンというバンド4人は男同士ながらそれぞれ複雑な恋の中に生きています。
そんな中、それぞれの状況を何となく知っている真冬は懸命に取り組んでいた。
音楽フェスの審査に挑むため新曲の歌詞をどうするか睡眠時間も削り悩んでいた。
果たしてフェスの出場権を獲得することができるのでしょうか?
『ギヴン』5巻のあらすじ
上ノ山立夏、佐藤真冬、梶秋彦、中山春樹は「ギヴン」というバンドを組んでいる。
四人は音楽フェスの出場権を獲得することを現在の目標とし、夏休み真っ只中だが、新曲を完全させるために日々バンド練習とアルバイトに明け暮れていた。
そんな中、秋彦に失恋してしまったはずの春樹は、同居人から追い出され住む場所をなくした秋彦を自分の部屋に住まわせることになり、奇妙な共同生活を送っていた。
生活を共にするようになり、春樹は今まで知らなかった秋彦の恋の話や同居人のことを聞き、いま自分は秋彦と同じ立場に立っていることを知る。
一方、秋彦は春樹と共同生活をしていながらも雨月との関係に悩み続けていた。
その雨月も秋彦を追い出したのにも関わらず、実際には未だに秋彦から離れられずにいる。
三人のその状況を何となく知っている真冬は、新曲の歌詞をどうするか睡眠時間も削り悩んでいた。
その時に恋人である上ノ山からアドバイスをもらい、真冬はとある人物に会いに行くことにした。
そしてついに曲も歌詞も完成し、四人は音楽フェスの審査に挑むーー
四人はでき上がったばかりの新曲でフェスの出場権を獲得することができるのか。
そして、春樹、秋彦、雨月。三人はそれぞれどんな道を辿ることになるのか。
『ギヴン』5巻の感想
「ギヴン5巻」音楽フェスの出場目指す中気になる3人の恋模様
この巻は他のどの巻よりも様々な展開が起こり、目が話せない巻だと思いました。音楽フェスの出場をかけて四人が真剣に音楽と向き合っているという、それだけでもどきどきする要素があるのですが、さらに春樹、秋彦、雨月の三人の恋愛模様が絡んでくるので、ページをめくる手が止まりません。
少しページを進めるだけで、彼らの心の中や外側で何かが起こるので、一番忙しい巻だとも言えるかと私は思います。
前巻ではあまり良い印象のシーンがあまりなかった秋彦が、この巻ではとてもかっこよく感じました。
この巻で、秋彦はある決断を自分に下すのですが、その後の行動には尊敬してしまいそうになるほど、男前でかっこいいです!
自分にもこういう決断力がほしいと感じさせてくれます。
この作品はBLのジャンルに分類されていますが、このような人生や青春も描かれているので普通の恋愛などがメインのBLマンガとは違い、恋愛ものの部分も必要な場所ではありますが、たとえそこを抜いたとしても楽しめる部分があると、この巻を読んで今までよりもしみじみ思いました。
そのような意味ではBLに手を出したことがない方でも読みやすい作品でもあるとも思います。
「ギヴン5巻」印象が変わり好きになった雨月のキャラクター
そして、この巻でのキーパーソンの一人である雨月も、私は前の巻まではあまり好きにはなれないキャラクターだったのですが、この巻では印象が変わり好きなキャラクターの一人になりました。
秋彦との関係は複雑なもので良くわからない部分もあったのですが、秋彦と雨月両方のそれぞれの想いがこの巻ではっきり分かります。
その想いが分かるシーンは誰もが一度は経験したことがあるのではないかという単純な理由だなと思いましたが複雑になってしまった分、少し寂しさや切なさを感じてしまいました。
また、単純なわかりやすい理由を複雑化させているからこそ、読者側の私達は感情移入できる部分でもあるのかもしれないとも思いました。
そのためなのか、私は雨月と秋彦の関係が描かれている部分は、このマンガの中で好きな場所の一つになりました。
もう一人のこの巻での重要人物である春樹はこの巻でも相変わらず秋彦に振り回されます。
ですがその振り回されている姿が、髪を切って雰囲気は変わりましたが、真冬とはまた違った可愛いさは健在でした。
失恋したはずなのに秋彦と同居をして、ゆっくり二人が変わっていくところは普通ならぎすぎすした雰囲気がありそうですが、穏やかに進むので、春樹が失恋していることを忘れそうになりました。
大人組の恋愛は高校生組の恋愛よりも落ち着いた雰囲気があるので、正に大人の恋愛だと感じさせられます。
三人はゆっくりと、でも内面では激しく変わっていくので、この巻はどのページも目が離せませんでした!
*本文中の画像は「ギヴン」とは無関係です。
コメント